起業する場合、必ず会社を設立する必要はありません。個人として、事業を行い、確定申告をされている方も大勢いらっしゃいます。そこで、個人事業と法人のメリット・デメリットについて、まとめました。
(1)個人事業の場合
メリット
- 煩雑な設立手続きが不要で、少額資金で事業を開始できる。
- 税務署等への申請により、簡易な帳簿でも青色申告の特典を受けることができる。
デメリット
- 社会的信用度は法人の方が得られやすい。
- 事業開始時に資金調達が必要な場合、金融機関からの借入が法人に比べ難しい。
- 同一生計親族への給料支給は、青色専従者への支払いを除き、原則経費とならない。
(2)法人の場合
メリット
- 社会的信用度があり、資金調達も個人事業に比べ容易である。
- 卸業や製造業などで取引先が法人の場合(いわゆるBtoB)には、相手先からの評価が個人事業よりも高いことが多い。
- 節税効果が個人事業より大きい。大まかに言って事業上の利益(収入−経費)が700万円以上なら法人の方が税金面では有利である。
- 赤字の繰越による損益通算の期間が、個人事業では3年間であるが、法人では9〜10年間可能である。(赤字の繰越による損益通算とは、例えば1年目が200万円赤字、2年目が100万円黒字の場合、2年目の所得は0円となり、更に3年目に100万円赤字を繰り越せる制度です。)
デメリット
- 会社設立時の法的手続きに手間と費用が個人事業に比べかかる。
- 社会保険の加入が強制である。しかし、これは将来の年金補償や人材獲得の面からして一概にデメリットとは言えない。
- 赤字でも一定額の税金(住民税均等割額が8万円〜10万円程度)の支払いが必要となる。
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個人事業の場合 |
法人の場合 |
メリット |
・少額資金でも事業を開始できる
・青色申告の特典がある |
・資金調達の面で有利
・取引先からの信用が高い場合が多い
・所得が多い場合、節税効果が大きい
・赤字を繰り越せる期間が長い |
デメリット |
・金融機関からの借入が法人に比べ難しい
・同一生計親族への給与は原則経費とならない |
・設立時の手間、費用がかかる
・社会保険の加入が強制
・赤字でも一定額の納税が必要 |
起業直後は、収入があまり見込めなく、また、運転・設備資金をそれほど必要でないのなら、個人事業でとりあえずスタートするのも良いでしょう。一方、ある程度収入見込みがあり、当初から人の採用や設備資金調達等も必要な場合には、法人形態での起業が望ましいでしょう。
当事務所では、起業後の資金調達、税務対策、記帳代行、会計ソフト導入指導等、多くの面で独立支援のお手伝いができるものと考えております。ぜひ、ご相談ください。
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